会社から損害賠償の脅し 退職したら損害賠償請求される?
記事内に広告を含む場合があります。

会社から損害賠償の脅し 退職したら損害賠償請求される?

会社を辞めたら損害賠償の訴訟起こすって言われた…コレマジ?

「会社辞めたいんですケド…」
「お前ふざけんな!辞めたら、損害賠償で訴えてやるからな!辞めさせねーぞ!」

 

いやいや、会社やめるのは社員の権利でしょ。
そんな脅しをしてくるなんて、とんだブラック企業だな!

 

…と思ったのですが、一応調べてみました。

 

そうしたら、衝撃の事実。

 

場合によっては、損害賠償で訴えられて、裁判で負けるケースもある
というんです。

 

ケイズインターナショナル事件

ケイズインターナショナル事件の事例があります。

 

 

この裁判では、退職した社員が、70万円の賠償額を支払うよう判決が出ています。

 

どういう流れかというと…?

 

  • 社員が、入社後4日目に、病気を理由に欠勤し、辞職した
  • その結果、顧客との契約が解除された
  • 利益1,000万円を失ったため、会社は社員に200万円を支払えと要求
  • 判決 賠償額70万円を支払うよう命じた

 

とは言っても…
この事例のように、具体的な損害額が提示されて、裁判所が認めるというのは、稀なケースなようです。

 

入社後4日目で、顧客との1,000万円の仕事をまかされるのもレアでしょうし、
この社員はそもそも、会社を非難するばかりで話し合いに応じなかったのだそう。

 

「○千万円の損害!」と言われたとしても、妥当な金額かどうかは、訴えた側に立証責任があります。

 

立証できないんです、ほとんどの場合。

 

したがって、実際に訴えられる確率は低いと言えるでしょう。

 

ただし、派遣社員のように、労働期間を定めた契約書を交わしている場合は要注意。

 

実際にいくらの損害が出たか、具体的に示しやすいんですね。(客先での時間単価x稼働予定日数など)

 

会社側には顧問弁護士や法務部のような専門部隊がいます。個人ではとても敵いません。

 

でも…泣き寝入り以外の方法もあります。

弁護士に退職を手伝ってもらう方法

会社を退職しようとしたら、損害賠償するぞと脅されたケースは、けっこう増えているようです。

 

一部の弁護士事務所では、退職代行というサービスを行っているんですね。

 

法律の専門家なので、会社が法律武装しててもカンケーない!とても力強い。だけど、高い。

 

貯金もないし、料金が支払えないよ…というあなたには、成功報酬制の弁護士事務所もあります。

 

報酬は、退職完了後に得られたお金の中から支払えばいいんですね。

 

例えば、こちらの弁護士事務所が、成功報酬制で、退職代行やってます。

 

 

退職代行可能かどうか、LINE相談は無料です。

 

いきなりサービスを申し込まずに、まずは無料の相談だけしてみてください。

 

関連)退職代行サービス

退職願が受理されない

会社に退職願が受理されない場合は、以下の対処法があります。

 

配達証明付内容証明郵便で退職願を郵送する
会社が退職願を受理しない場合、退職の意思を示すために、配達証明付内容証明郵便で退職願を郵送します。配達証明付内容証明郵便は、郵便局で発行できる郵便物で、郵便局が配達した日時や受取人を証明することができます。

 

配達証明付内容証明郵便で退職願を郵送することで、会社が退職願を受理したことを証明することができます。

 

総合労働相談コーナーに相談する
会社が退職願を受理しない場合、労働基準監督署に管轄する総合労働相談コーナーに相談します。総合労働相談コーナーでは、労働問題に関する相談を受け付けており、退職願の受理に関する相談にも対応しています。

 

総合労働相談コーナーに相談することで、退職願の受理に関する法律上のアドバイスを受けることができます。

 

弁護士に相談する
会社が退職願を受理しない場合、弁護士に相談します。弁護士は、退職願の受理に関する法律問題に精通しており、適切なアドバイスを受けることができます。

 

弁護士に相談することで、会社との交渉を弁護士に任せることができ、退職願の受理をスムーズに進めることができます。

 

退職願が受理されない場合は、上記の対処法を参考に、適切に対処しましょう。

 

退職で損害賠償された判例はある?

退職した社員が損害賠償された判例は、いくつかあります。

 

例えば、東京地方裁判所平成15年10月29日判決では、新規事業立ち上げのために雇用された労働者が、わずか4日間で退職した事案で、会社から労働者に対する200万円の損害賠償請求が認められました。この判決では、労働者が会社との信頼関係を破壊し、会社に損害を与えたと判断されたためです。

 

また、東京地方裁判所平成30年6月13日判決では、営業職であった労働者が有期雇用契約の期間の途中で退職の通知を行って競業他社に転職して職務放棄した事案で、労働者(及び転職先の競業会社)に対して、会社の逸失利益等損害約1100万円、弁護士費用110万円の損害賠償の支払を命じました。この判決では、労働者が会社に対する債務不履行のみならず不法行為にも該当すると判断されたためです。

 

このように、退職した社員が損害賠償された判例は、いくつかあります。ただし、これらの判例は、あくまでも個別の事案を判断したものです。退職した社員が損害賠償を請求されるかどうかは、個別の事案の事情によって異なります。

 

株式会社プロシードの裁判

株式会社プロシードは、IT関連のコンサルティングやシステム開発を行う会社です。2017年11月、プロシードは、退職した社員から損害賠償を求める訴訟を起こされました。

 

この訴訟では、プロシードは、社員が病気療養のため退職する際に、取引先との引継ぎを怠ったとして、取引先とのトラブルが発生し、損害を被ったと主張しました。また、社員が退職後に他社で勤務していることから、詐病による退職であると主張しました。

 

これに対し、社員は、病気療養のため退職したことを認めたものの、取引先とのトラブルは、プロシードが取引先に事実を正確に伝えなかったことが原因であると主張しました。また、退職後に他社で勤務していることは、病気療養が長期化したことによるものであると主張しました。

 

2019年3月30日、東京地方裁判所は、プロシードの請求を棄却し、社員に110万円の支払いを命じる判決を下しました。

 

この判決では、プロシードの請求は、取引先とのトラブルが発生したことをもって、社員の退職が詐病によるものであると認めるには、不十分であると判断されました。また、プロシードの主張は、取引先とのトラブルが発生したことをもって、社員の退職が詐病によるものであると認めるには、不十分であると判断されました。

 

この判決は、退職した労働者が、退職後に他社で勤務していることをもって、詐病による退職であると認定されることはないことを示しています。