2020年、東京。薄暗いオフィスで、一人静かにコードと格闘する36歳のSE、佐藤健太郎。彼の周りでは、若手SEたちが活発に議論を交わしている。かつては彼も彼らのようだった。しかし、近年は新しい技術の進化に追いつけず、仕事への自信を失っていた。
「このままでは…」。
ふと目に入った転職サイトの広告。年収アップ、キャリアアップ、充実したワークライフバランス…
「これが最後のチャンスだ。」
そう決意した健太郎は、転職活動を開始する。しかし、現実は厳しかった。書類選考は突破できず、面接では年齢や経験不足を理由に断られる。
「36歳という年齢が、こんなに壁になるとは…」
焦りと不安に駆られ、健太郎は次第に希望を失っていく。
そんな時、一通のメールが届いた。
それは、大手IT企業からの面接の案内だった。
「まさか…!」
半信半疑で面接に臨んだ健太郎。しかし、面接官の言葉は彼の予想を覆した。
「あなたの経験とスキルは、まさに我々が求めていたものです。」
希望の光が差し込んだ。
しかし、喜びもつかの間、面接官の次の言葉に、健太郎は再び奈落の底に突き落とされる。
「ただ、一つ条件があります。年収は現在の半分になります。」
「…えっ?」
「年齢を考慮すると、これが限界です。」
目の前に広がるのは、厳しい現実だった。
「…。」
健太郎は言葉を失った。転職への恐怖、家族への責任、将来への不安… 様々な感情が渦巻く。
2次受け派遣のSEとして、プロジェクトに参加していたSさん。
非常に優秀なSEさんでした。歳は当時、36歳だったかな。
こんな人が世の中にいたのか?というほど、完成されたSEさんだったんです。
Sさんはもともと、PCサーバやLinuxサーバのインフラSEさんです。
が、色んな所に派遣されて、いろんなことをかなり高いレベルでこなせるようになっていました。
スキル吸収能力がハンパない人でした。
初めて触れるスキルにも、一週間後にはある程度のレベルに達するほど。
もともと、新しい技術に触れるのが好きな人だったみたいですね。
かと言って、タダの技術オタクでもありません。
人当たりもよく、人に仕事を割り振るのも上手でした。
進捗に遅れが出そうなときは、自分が入ってリカバリーしたり。
Sさんは、実質上、正社員の上司みたいな立場になりつつありました。
プロジェクトのメインメンバーは、何かとSさんに相談します。
Sさんは丁寧に「こうしたらどうですか」と、具体案を出してくれます。
「それ、僕の仕事じゃないんで」なんてことは、絶対に言いません。
もう、プロジェクトはSさんナシでは回らなくなっていました。
重要な会議には、かならずSさんが呼ばれます。
プロジェクト責任者に呼ばれて、相談に乗ることもしばしば。
Sさんは、誰よりも頼りにされ、誰よりも長時間働いています。
Sさんはイケメンではありませんでしたが、女子社員からも頼りにされていました。
恋バナなどの相談(笑)にもちょくちょく乗っていたようです。
人の愚痴の聞き方がウマい人でした。
Sさん自身は結婚しています。なにか下心があるふうでもなく、
純粋に困ってる人の相談に乗ってあげようという真摯さに、皆心を打たれていたようですね。
もちろん男性からも慕われていました。
人間的にも、SE的にも、男性としてもすべてが完成された人であるように思いました。
なので、ずっと不思議に思っていたんです。
プロジェクトの節目に皆で飲みに行ったとき、
珍しく酔っ払ったSさんがポロッと言いました。
「僕ねぇ~。手取りが24万円なんですよ。
息子が私立の高校行きたいの我慢して公立受けたのが不憫で…」
すっごいびっくりしました。
同じ二次派遣SEとして来ていた私よりも、さらに給料が低いだと?
その人の完成度を10とすれば、私なんて4くらいです。
私は当時、手取りが25万円でしたが、それより低いっていったい何なの?
あまりに衝撃的で、この人を24万円でこきつかう会社に怒りさえ湧いてきました。
そして、おせっかいながら、ついつい言ってしまったんです。
「あの…Sさんならどんな会社でもやっていけると思うんですよね。」
「スキルも高いし、コミュニケーションもうまい、
お金の計算もできるし、人間としての魅力もある。
私が出会った中で、最強のSEですよ!」
Sさんは、「いやー、そう言ってもらえると救われるなぁ」
なんて、あごの先の無精髭をいじりながら照れ笑い。
すでに転職エージェントと話をして、年収420万→年収600万くらいにはなるだろうと予想していた私は、そのことを伝えようかと悩みました。
私でこの金額なんだから、Sさんは年収1,000万円くらいいくかもって思いました。
Sさんの不当に安い給料に、怒りさえ覚えていたんです。
他人のことなのに。
それほどSさんは魅力的なSEさんだったんですね。
そしたら、Sさんがポツリと言いました。
「でも、転職って怖いじゃないですか。
だって、転職したことないし」
それだけ。
Sさんが転職しない理由は、ただのそれだけでした。
私も転職の怖さはわかっていたので、それ以上言えませんでした。
一言だけ、
「転職サイトみたいのに登録すると、ざっくりと年収予想教えてくれるみたいですよ。」
とだけ伝えました。
Sさんは
「へぇ~、面白そうだなぁ。今度やってみますよ。ははは」
と力なく笑っていました。
その後、私はプロジェクトを離れ、Sさんがどうなったのかはわかりません。
私は無事に転職した今も、そのことを少し後悔しています。
ただ、結局は本人が決めること…Sさんのことを思い出すたびに、
私はそうやって納得するしかないのでした。
私は恐ろしい真理を思い知りました。
「SEとしてのスキルを上げれば給料も上がる」なんてのは、
幻想だったんですね…
「SEに転職できるのは35歳まで…。」
誰が言い出したのか、SE35歳まで説をあちこちで耳にします。
実際どうなんでしょう?
40過ぎてSE転職成功したひとって居ないんでしょうか?
転職できたとしたら、よっぽどデキる人か、運のいい人?
職場の飲み会終了。
転職して今日でちょうど一年。10年ぶり&40歳超えての転職は不安だったけど、結果として大正解。とても良い一年だった。
明日からもがんばろー(^ω^)— MlZO (@M_Z_T_T) 2018年1月31日
誰だよ、40歳超えてからの転職難しいとか抜かしたの。真に受けてアホほど応募したら死にかけてんじゃねえか、後処理で。(まだやってる)
— 物騒。 (@Bussou) 2018年12月1日
先日、元SEの年配の方から「50歳とかでSEは厳しい。俺は40歳で転職した。おかげで納期や残業に追われず、夜は家でエアロバイク。痩せて健康。今いくつ?」「40です」「‥ま、自分で決めな。」・・確かに毎日胃が痛いですけどね、酒のせいだと。えぇ。
— テン (@tenten666) 2012年3月26日
@strnh 現実問題、BPさんよりPMが若いのはやりづらい。PMは通常プロパー。40歳にはマネジャーでないと不都合で、SEとして現場で動くのは40ではそろそろ年食いすぎ、という実感。で転職も厳しい
— guillaume (@chat_miew) 2013年10月22日
噂には聞いてたけど40歳超えて転職してきた新人さん、未だに仕事覚えてなくてところどころ適当だし雑だしで一緒に働いてるこっちがハラハラする。
— ちい☃︎ (@chanhii5_) 2018年9月6日
冗談抜きでSESだと見えない天井があるんだよな。40歳すぎたら管理職じゃない奴はお払い箱、ちなみに女性だと、その年齢はさらに下になってたり。まぁ、そういうのを間近で見てたから、こんな業界には長居できないと思って異業種に転職したわけだが。
— 倉瀬美都 (@clausemitz) 2018年3月30日
転職もせずゲーム作る仕事して40歳カウントダウン状態になって、ずっとツブシの効かない職業だと思っていたが、転職の多いSEの友人達みてると大した職業は無いと確信した。仕事は探せばあるし、全ては自分次第だろう。
— 記子 (@cwd) 2011年11月30日
@SIBA1986 主観だけどSEって理系じゃなくても文系もなれるからせっかくの理系を捨てるような気がする。あと募集が異常に多いように若い人向けの仕事だから40歳までは続けられないって話。転職前提ならありだけど取らされる情報処理とか転職で使いにくいしオススメできないよ。
— えふすり (@F3AKI) 2010年3月25日
「とてつもなく難しい」と「そうでもない」の2つに分かれそうな感じです。
40を過ぎてくると、IT系スキルよりもマネジメント力が求められる傾向もありそうですね。
私がもと居た派遣会社では、40歳で転職してくるSEはたくさんいました。
「未経験の人」は居なかったですね。
ただし、現場で「別業界のエキスパート」だった人がSE未経験で転職したというケースは見ました。
金融系の開発現場で、金融取引にメッチャ詳しかったんですね。元・銀行のディーラーの方だったと思います。
金融系は、証券取引、クレジットカード与信、生命保険審査などなど特殊な業務知識が必要になってきます。
お客さんの対等に業務系の話が出来るひとなら、SE未経験でも転職できる可能性はありそうですね。
あとは…お客さんと強力なコネがある人も、SE未経験で転職してきてました。
まとめると、強力な業務知識か、お客さんへの強力なコネがあれば40歳未経験でもSE転職は可能、だと思います。