気に入らないと無視する上司は自己中心的で感情的な面が強く、部下の気持ちを考えない傾向にあります。
プライドが高いため自分の非は認めず、コミュニケーション不足から部下との関係がこじれやすいのが特徴と言えるでしょう。
上司が部下を無視する理由の多くは、「自分に従わせるため」です。
上司は部下に指示を出して結果を出すのが使命なのですが、その手段として無視するという行為を選ぶと、パワーハラスメントにあたるケースがあります。
権威を示す
一部の上司は、部下を無視することで自分の権威や立場を示そうとしています。 部下に対して「自分が上位者で、あなたは下位者だ」というメッセージを送り、言うことを聞かせようとしているのです。これは上司の自信のなさや幼稚さから来る行動と言えます。
部下を脅す
上司が部下の言動に不快感を持った場合、無視することで部下に罪悪感を植え付け、脅しをかけようとすることがあります。 例えば、会議で反論されたり、重要な報告を怠られたりしたことへの不満から、無視して部下を従わせようとするのです。
心理的な揺さぶり
一部の上司は、部下を無視して動揺させ、自分に注目を集めようとします。 部下がおろおろしたり機嫌を伺ったりすると、上司は満足感や優越感を得られるのです。これは幼い面があり、健全な上司とは言えません。
部下への不信感
上司が部下を信用できない場合、無視に走ることもあります。 例えば、指示が理解できない、評価が不公平、無責任な態度などから、上司が部下を信頼できなくなると無視に至るケースがあります。無視しつづけることで自分から会社を辞めるよう仕向けるなどの意図が考えられます。
組織への不満
会社や組織への不満が原因で、上司が部下を無視するパターンもあります。 部下に対する不満ではなく、会社への不信感や不安を無視で表現しているのです。これは完全に八つ当たりですね。
まず、人を使う立場で無視という手段を取ることは、上司としてというより社会人として問題があります。
それをわかった上でできることはなんでしょうか?
まずは上司の話をよく聞く
あなたが上司の言う事を全否定し、指示を無視しているような態度を取っていたとしたら、上司が無視してくるという態度は、大人げないですが、一定の理解はできます。
まずは、考え方が違ったとしても、上司の話に耳を傾け、理解しようと努める姿勢が大切。 上司の意図を理解することで、適切な対応がしやすくなります。
自分からは関わらない
できるだけ上司と接する機会を減らし、距離を取ること。 自分の力で問題解決できるよう努め、上司に頼らないこと。
ただし、決裁権限の問題など、上司と連携しないと進められない仕事も多いので、ずっと関わらずにやっていくことは無理でしょう。
上司とのコミュニケーションを改善する
挨拶やお礼を欠かさず、礼儀正しい態度を心がけ、 上司の話に共感を示したり、質問したりして会話を広げる。
しかし、社会人として無視してくるような場合、自分の権力を思い知らせるような意味でやっていることが多いので、部下の立場から何をやっても改善する可能性は低いです。
他の上司や人事に相談する
直属の上司との関係改善が難しい場合、他の上司に相談しましょう。人事部門に相談し、客観的なアドバイスをもらうのも一案。
その場合、どういう場面で無視をされたか、細かくメモを取っておくといいでしょう。言い逃れができないレベルで、証拠を集めておきましょう。
業務に支障がでるようなレベルでの無視となると、会社への損害を与える行為になるからです。
最終手段として会社を辞めることも検討する
その上司が社内で絶対的な権力を持っていて、さらに上の上司も注意できないような場合、どうしようもないケースもあります。
小さい会社で、仕事ができる上司(社外の関係者に強い態度が取れるなど)だと、けっこうあり得る話。
無視というのは「精神的な暴力」とも言われ、された側の心に大きな傷を残します。
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社内で誰も助けてくれないような状況でも、少なくとも自分の心は守りましょう。