Pythonインタプリタの使用方法
Pythonインタプリタの起動
Pythonインタプリタを起動するには、ターミナルでpython
と入力して実行します。以下はその実行例です。
$ python
Python 3.9.1 (default, Jan 8 2021, 17:17:17)
[Clang 12.0.0 (clang-1200.0.32.28)] on darwin
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>
終了させたいときは、「ctrl+d」を押します。「exit()」と入力してもOKです。
また、Pythonスクリプトをファイルに保存してから、インタプリタにスクリプトファイルを渡すこともできます。以下はその実行例です。
$ cat hello.py
print("Hello, world!")
$ python hello.py
Hello, world!
対話(インタラクティブ)モード
対話モードは、Pythonインタプリタをコマンドラインから起動して使用する方法の一つです。
インタプリタを起動すると、一次プロンプト(‘>>>’と表示されることが多い)が表示され、ユーザーはPythonコマンドを入力することができます。
インタプリタは、入力されたコマンドを直ちに実行し、結果をユーザーに返します。継続行を使用することで、複数行にまたがるコマンドを入力することもできます。
参考)公式ドキュメントの「対話モード」
以下はPythonの対話モードの実行例です。
$ python
Python 3.9.1 (default, Jan 8 2021, 17:17:17)
[Clang 12.0.0 (clang-1200.0.32.28)] on darwin
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>
>>> print("Hello, world!")
Hello, world!
>>> x = 5
>>> y = 10
>>> x + y
15
>>>
対話モードでは、Pythonコマンドを入力すると、その結果を直ちに返します。
継続行とは、複数行にまたがるPythonコマンドを入力する場合に使用されるものです。対話モードで継続行を使用するには、行末にバックスラッシュ \\
を追加します。以下は継続行を使用した実行例です。
>>> x = 5
>>> y = 10
>>> z = 15
>>> total = x + \\
... y + \\
... z
>>> total
30
上記の例では、total
変数に x
、y
、および z
の値を追加するために、3つの継続行を使用しています。
Pythonの文字コードエンコーディング
Pythonのソースコードは、デフォルトでUTF-8でエンコードされているものとして扱われます。したがって、Pythonスクリプトファイルの先頭に、以下のようなエンコーディングの宣言を追加する必要はありません。
# -*- coding: utf-8 -*-
ただし、他のエンコーディングを使用する場合は、エンコーディングの宣言を追加する必要があります。エンコーディングの宣言には、上記の例のように、コメント行に -*-
と coding:
を続けてエンコーディング名を指定します。
# -*- coding: shift_jis -*-
参考)公式ドキュメントの「Pythonのソースファイルのエンコーディング」
Pythonインタプリタの環境
インタプリタの実行環境は、環境変数等で指定します。
Pythonインタプリタの環境設定には、以下のようなものがあります。
- PYTHONPATH 環境変数の設定
- siteモジュールの設定
- virtualenv の使用
PYTHONPATH モジュールのパス指定
PYTHONPATH 環境変数は、Pythonインタプリタがモジュールを検索するためのパスを指定するために使用されます。この環境変数には、モジュールを格納しているディレクトリのリストを指定します。Pythonインタプリタは、このリストに含まれるディレクトリを順に検索して、モジュールを探します。PYTHONPATH 環境変数の設定方法については、オペレーティングシステムのドキュメントを参照してください。
PYTHONPATH環境変数を設定するには、次のようにします。
Unix / Linux:シェルの起動スクリプト (~/.bashrc、~/.bash_profile、または/etc/profileなど)に、次の行を追加します。
export PYTHONPATH=/path/to/directory
Windows:システムの環境変数に、PYTHONPATHを追加します。PYTHONPATHの値には、モジュールを格納しているディレクトリのパスを指定します。
PYTHONPATH=C:\\path\\to\\directory
環境変数を設定した後、再起動するか、新しいシェルを開く必要があります。また、PYTHONPATHに指定されたディレクトリには、Pythonモジュールが格納されている必要があります。
siteモジュール ライブラリの管理
siteモジュールは、Pythonインタプリタが標準ライブラリやサードパーティライブラリの場所を見つけるために使用するものです。siteモジュールには、ランタイムで使用可能なモジュールの場所を見つけるために使用される関数が含まれています。
siteモジュールを使用するには、次のようにします。
import site
site.addsitedir('/usr/local/myapp/lib/python3.9/site-packages')
上記の例では、/usr/local/myapp/lib/python3.9/site-packagesディレクトリにあるサードパーティライブラリをsiteモジュールに追加しています。addsitedir()関数は、指定されたディレクトリをsiteモジュールに追加します。これにより、Pythonインタプリタは、追加されたディレクトリからモジュールを検索することができるようになります。
siteモジュールには、他にも便利な関数がいくつかあります。詳細については、公式ドキュメントの「siteモジュール」を参照してください。
virtualenv 仮想環境
virtualenvは、Pythonの仮想環境を作成するためのツールです。仮想環境は、Pythonインタプリタとモジュールを分離することで、異なるプロジェクトで異なるバージョンのPythonを使用することができます。
virtualenvを使用するには、次のようにします。
virtualenv
コマンドをインストールします。インストール方法は、オペレーティングシステムによって異なります。詳細については、公式ドキュメントの「virtualenvのインストール」を参照してください。- 仮想環境を作成するためのディレクトリを作成します。
$ mkdir myproject
$ cd myproject
- 仮想環境を作成します。
$ virtualenv venv
上記の例では、venv
という名前の仮想環境が作成されます。
- 仮想環境をアクティブにします。
$ source venv/bin/activate
上記の例では、venv
という名前の仮想環境がアクティブになります。
- 必要なPythonライブラリをインストールします。
$ pip install <ライブラリ名>
上記の例では、必要なライブラリをインストールするために、pip
コマンドを使用しています。
- 仮想環境を終了する場合は、以下のコマンドを使用します。
$ deactivate
以上が、virtualenvを使用してPythonの仮想環境を作成するための手順です。詳細については、公式ドキュメントの「virtualenvの使用」を参照してください。
Pythonインタプリタのまとめ
- Pythonコマンドをコマンドラインで実行すると、ただちに処理結果を返す「対話モード」として起動する
- Pythonインタプリタは、バージョン3以降はUTF-8がデフォルト。UTF-8でソースコードを記述すればエンコード指定はなくても良い。
- 環境変数やvirtualenvでPythonインタプリタの実行環境を指定する